リハテン

大阪で働く作業療法士。リハビリ関連の知識・書籍の紹介など、思いつくことをアウトプットしてリハビリの天才になることを目指します

書籍レビュー No.2「注意と意欲の神経機構」

今回のレビューは

No.2「注意と意欲の神経機構」 です。

 

日本高次脳機能障害学会 教育・研修委員会 編

出版:新興医学出版社

面白さ★★★★★

分かりやすさ★★★☆☆

 

おススメ度★★★★☆

 

 

 この本は私が「注意障害」って何なんだろうと深く考えるきっかけです。

臨床現場で感じるのは

「この人は注意(機能)が悪い」

「注意障害があるから」

など、簡単に考えているセラピストの何と多いことか・・・。

 

 

教科書などで習う注意障害としては、いくつか書き方に差はありますが

「持続性」「転導性(転換)」「選択」「分配」

といった感じでしょうか。

 

他にも

半側空間失認(無視)などと間違えやすい「方向性注意障害」

「注意の容量」といったものもありますね。

 

この本は注意障害がそんな生易しいものではないというのを

まざまざと見せつけてくれます。

 

・「注意・意識・意欲」の関連

・セイリアンスネットワーク

・遂行制御ネットワーク

・デフォルトモードネットワーク

・観念失行との関連

・身体失認、病態失認との関連

・ワーキングメモリ―

など、まだまだ書ききれないほどの症状・徴候・機能に対して

いかに「注意」ということが関連しているのかが、わかります。

 

これまで聞いたことがないような単語が沢山出てきます(笑)

 

ただ、これを読んで次の日からリハビリの訓練や具体的なプログラムに

生かせるかというとそこは難しいかもしれません。

 

しかし、この内容を

知っているのと知っていないのでは

脳血管疾患の患者さんに対しての評価・診方が

確実に変わることは確かです。

 

 

若手セラピスト(特にOT)が「注意が悪い」「注意障害あります」

と言っているのを聞いてて感じることがあります。

例えば、PTの人がカンファレンスとかで
「歩行障害があります」とか言ってたら怒られると思うんですよね。

 

「注意障害」ということばも

同じようなことだと個人的には思っているので・・・。

 

ちなみにこの本を買ってから

「注意」関連の本を買いまくりました。

他の本の紹介もいずれ・・・